2026年度国語出典予想
毎年恒例の「中学入試国語出典予想」
今年は過去1たくさんの本を読みました。
予想が外れたとしても、読んで損なし!な本を厳選。
ぜひ夏休みや休憩時間に読んでみてくださいね!
物語文
ぶたのしっぽ 海緒 裕
まずはここ数年毎年出典されている「ちゅうでん児童文学賞大賞受賞作品」(第26回)から「ぶたのしっぽ」です。
ちゅうでん児童文学賞大賞受賞作品は、第25回の「ブルーラインからはるか」、第24回の「雪の日にライオンを見に行く」ともに複数校で出題されています。
主人公豪太郎の趣味は編みぐるみ、だけどクラスメイトには隠しています。なぜなら「男らしくない」から・・・。
そんななか、「ヤングケアラー」で「不登校児」のクラスメイト、篠田と知り合うことになり、自分のアイデンティティとは何か?を考え始めます。
入試頻出テーマの「多様性」「ヤングケアラー」などに触れておくにもちょうどよい作品です。
今回の出典予想、1冊しか選べないとしたら、私はこの本を選びます。
ありか 瀬尾 まい子
2019年に「そしてバトンは渡された」で本屋大賞を受賞した瀬尾まい子氏。中学入試頻出作家のひとりです。
過去にも『ティーンエイジ』は普連土学園で、『狐フェスティバル』は学習院女子で、『あと少し、もう少し』は品川女子学院・淑徳与野・専修大松戸・三輪田学園・吉祥女子・鎌倉学園で出題されました。
また、2023年度に私が出展予想した「夏の体温」は、実際に鷗友・開智・神奈川大附属・暁星・専修大松戸・品川女子・滝・明大中野・横浜共立で出題されました。
今回も瀬尾まい子さんらしい、読んだ後にほわっと温かい気持ちになるようなお話。
シングルマザーの美空と年長さんのひかりの会話が温かくて、癒されます。
それだけではなく、美空と実の母親(毒親)との関係や、同性愛者の義弟の生きづらさも描かれています。
特に実の母親との関係は、共感できる部分もあり、もやっとするところもあり・・・。
親になったからといって、急に子どもを愛することができるようになるわけではなくて、子育てって、経済的な状況や周りの環境にすごく左右されるもので、だからこそ色々な人の助けがないと難しいなぁと改めて感じました。
こちらは本屋さんをウロウロしていて、素敵な色合いの表紙がパッと目に留まりました。私は出典予想をするときに、できるだけ本屋さんで探すようにしています。
学校の先生も、きっと本屋さんで探すと思うし、表紙に惹かれて手に取ることも、あると思うからです。
問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい 早見 和真
2025年度本屋大賞第2位の「アルプス席の母」の著者 早見和真氏の新作。
「アルプス席の母」は2025年度中学入試で、愛光・海陽・城北・本郷・山脇・ラサール・立教池袋などで出題されました。
中学受験をとおして、家族が成長する姿を描いた本。主人公の十和は中学受験を控えた6年生の女の子。自分が恵まれた環境なのはわかっている、わかっているんだけど何かイライラしちゃう・・・。
思春期の女子が読んだら、「わかる・・・、私もそう」ってなりそうだなぁ、と思いながら読んでいました。
途中途中ででてくる「中学受験あるある」がすごくリアルで調べてみたら、
早見さん自身も中学受験経験者で、また最近お嬢さまが中学受験を終えられたばかり…ということで、妙に納得してしまいました。
まぁまぁ分厚いですが、会話文が多く、あっという間に読めました。
先ほどの「ありか」同様、児童図書のところには置いてありませんでしたが、このくらいの難しさの文章なら、今の入試では普通に出題されます。
僕たちは我慢している 藤岡 陽子
中学受験を舞台に、家族のきずなを描いた「金の角持つ子どもたち」が、
2022年度、山脇学園・サレジオ学院・専修大学松戸で、2023年度には広尾学園・法政大学第二中の中学入試で出題された、藤岡陽子氏の新刊。
今回は私立高校生の大学受験が舞台。おそらく(絶対!)開成高校をモデルとしたと思われる、世間から羨望の眼差しでみられる学校に通う4人の男子高校生が、それぞれの葛藤と向き合いながら、成長していくお話。
題名「僕たちは我慢している」の「我慢」は決して悪いものではなく、くじけそうになった時、楽なほうに流れそうになった時、彼らを支えてくれるものなのかもしれないなぁと感じました。
帯に書かれた「優れた小説は何れ必ず読者の羅針盤(COMPASS)になる」というセリフを見て、私はこの本をそっと次男(私立男子高校2年生)の机の上に置くことを決めました。(今は期末テスト勉強中なので、終わってから・・・)
オリオンは静かに詠う 村崎 なぎこ
聖光学院中2024年度入試で出題された『ナカスイ!海なし県の水産高校』の著者、村崎なぎこ氏が、競技かるたの世界を舞台として描いた作品です。
競技かるたといえば「ちはやふる」ですが、こちらも映画化されたら絶対に見たい!と思う素敵な物語でした。
特にコーダ(聞こえない、または聞こえにくい親をもつ、聞こえるこどものこと)として生きてきたカナちゃんが競技かるたを目指す第2章は号泣。
比喩が効果的に使われていて、それがまたいかにも出題されそうで、読んで損なしの1冊です。
今回選んだ中で、個人的に1番好きな本です。
ぼくたちの卒業写真 天川 栄人
2025年度では、私も出典予想した「わたしは食べるのが下手」が田園調布学園で出題、毎年数校で出題されている天川栄人氏の新刊。
「わたしは・・・」は今年第71回青少年読書感想文全国コンクールの「中学校」の部の課題図書にも選ばれました。
過去には、2023年度入試にて「おにのまつり」が学習院中等科で、2024年度入試にて「セントエルモの光 久閑野高校天文部の、春と夏」が共立女子第二中で出題されました。
こちらは私が毎年出典予想をしているのを知っている友人が、「これ出そうじゃない?」とラインをくれた本。
うん、確かに!
チョコレート・ピース 青山 美智子
中学入試頻出作家のひとりで、5年連続本屋大賞にノミネートされている青山美智子氏の新刊です。
2025年度入試では、「リカバリー・カバヒコ」が大妻多摩・栄東・佐久長聖・明大八王子・東洋大京北・聖園などで、「お探し物は図書室まで」が東洋英和・早稲田中で、「月の立つ林で」が西大和で・・・、ととにかく中学入試で出題されています。
こちらは、ananの連載+書きおろしの12編からなる短編集。
1編がちょうど入試の素材によさそうな文字量で、予想しました。
私が出題するなら、「チョコチップクッキー・フレンドシップ」かなぁ・・・。
以上が、物語文で出題が予想される7冊でした。
ここからは説明文で、出題が予想される本です。
ひとつ注意です。
ここから出てくる本を購入して、お子さんに「読んで」といっても、
おそらく数ページ読んだところで、嫌になってしまうでしょう。
物語文と違って、難しいし、退屈です(ごめんなさい)
おすすめは、親が読んで、「うちの子、この単語わからないだろうな・・・」とか「これについて話し合ってみようかな」のきっかけにしていただくことです。
例えば、「~ちゃんは、自分で自己肯定感高いと思う?」「自己肯定感て、何だろうね・・・」みたいな感じです。
ぜひ試してみてください!
説明文
生きることは頼ること 戸谷洋志
説明文で頻出といえば、戸谷洋志氏。
2025年度入試では「悪いことはなぜ楽しいのか」が、大阪星光・大妻・開智未来・鎌倉女子大附属・栄東・品川女子・昭和女子大附属・洗足・筑波大附属・帝塚山・桐朋女子・奈良学園・法政第二・早稲田高等学院で出題。
この「生きることは頼ること」は2024年8月に出版され、時期的に2025年度入試に間に合わず、2026年度で出題されるのでは?と予想しました。
2025年度入試では早稲田中で出題されています。(どんな風な設問が作られたのか、早稲田中の過去問を見てみても良いかも!)
自己肯定感は高くないとダメなのか 榎本 博明
中学入試国語説明文で頻出のレーベル、ちくまプリマー新書。
2025年度入試で20校以上で出題された、「わからない世界と向き合うために」もちくまプリマー新書でした。
出版が2025年3月。
自己肯定感という、話題のテーマ。ということで選びました。
比較的読みやすいです。
おとぎ話はなぜ残酷でハッピーエンドなのか
ちくまプリマー新書と並んで頻出なのが、岩波ジュニア新書。
2025年度では、『野生動物は「やさしさ」だけで守れるか?』が大妻・埼玉栄・明大中野・富士見で、「<弱いロボット>から考える」が桜蔭・関西大第一・田園調布・西武文理で、「食べものから学ぶ世界史」が大妻嵐山・田園調布・豊島岡で出題されています。
詭弁と論破 対立を生みだす仕組みを哲学する
先ほどの戸谷洋志氏の新刊。
「それってあなたの感想ですよね?」でおなじみのひろゆき氏に代表される論破を美徳とするような社会に警鐘を鳴らし、本当に必要なことは論破することではなく、議論を楽しめるようになることである、ということを難しく書いてあります(笑)
そもそもほとんどの小学生が「詭弁」という言葉を知らないと思うので、もし出題されたらおそらく注釈がつくかなぁとは思いますが、一応お子さんに説明だけしておいても良いかも。
ちなみに「詭弁」とは、間違った内容や意見を正しく見せるようにこじつけたり、もっともらしく見せようとする議論。
社会は「私」をどうかたちづくるのか
こちらもちくまプリマー新書です。
第1章は、表やグラフが多用されていまして、近頃の入試のトレンド的に、出題の可能性があると考えました。
なかなかボリュームのある本で、小学生がこの本を1冊読めるとは思えないので、前述しましたようにエッセンスとして、親子の会話の中に取り入れていただけたら、と思います。
僕たちは言葉について何も知らない
哲学的な文章も、中学入試で意外と出題されます。そして、子どもたち撃沈します・・・。
過去には、朝日新書の「いつもの言葉を哲学する」が中高大学の入試で、59校以上の学校で出題されたという驚きの事実も!
「月がきれいですね」がなぜ愛の告白になるのか・・・?
言葉の世界にどっぷり浸かってみるのも、よいかもしれません。
随筆文
さみしくてごめん
こちらはエッセイです。
永井玲衣さんは若手の哲学者で中学入試にもひっぱりだこです。
2025年は「水中の哲学者」が渋幕で、「世界の適切な保存」は開成・海城(帰国)・慶應普通部と名だたる学校で出題されています。
前半は日記で・・・、正直面白いかって言われると(笑)
志望校で毎年必ず随筆文がでる、という方は(正確には随筆とエッセイは違うらしいけど)手に取ってみてもよいかもしれません。
本屋さんでも割と大きめにスペースを取っていたので、先生の目に留まる可能性もある!と思います。
以上、2026年度中学入試国語出典予想でした!
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